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3.調査結果の概要

(2)広瀬川の活用・保全に対する取り組み

 文献資料の調査結果より、広瀬川に関する取り組みの歴史、行政の活動状況を以下のように整理した。また、アンケート及びヒアリング調査結果より、市民活動団体の活動状況を整理した。

1.広瀬川に関する取り組みの歴史

  • 藩政時代、木材を運搬するために木曳堀、舟曳堀、木流し堀、農業用水を供給するための六郷堀・七郷堀、また広瀬川の郷六より引かれた四ッ谷用水が張り巡らされるなど、城下の市民生活を支えるための基盤整備が進められた。一方で、川を守り育てることにつながる取り組みとして、森林育成が積極的に行われ、「杜の都」仙台の素地を作り上げてきた。
  • 明治維新以降、上下水道の整備や水上交通から陸上交通への交通手段の変化など、急速に近代化が進み、多くの堀は役割を終え、埋め立てられ、人々の生活から遠ざかっていった。一方で、三居沢発電所、上水道、下水道等といった広瀬川との新たな結びつきが生まれることとなった。
  • 昭和30年代には、急速な都市化の進展による水質の悪化、ごみの投棄等が見られたが、市民と行政が一体となって広瀬川の清流復活に取り組んだ。その後、「21世紀に残したい日本の自然100選(朝日新聞・森林文化協会)」、「名水百選(環境庁)」、「残したい日本の音風景100選(環境庁)」に選ばれるなど、清流復活への取り組みは着実に成果をあげてきた。
写真11 仙台市上水道(青下ダム) 写真12 現在の四ツ谷用水
写真11 仙台市上水道(青下ダム) 写真12 現在の四ツ谷用水

 

2.広瀬川に関する行政の取り組み

  • 河川法の目的は、「治水」→「治水+利水」→「治水+利水+環境」へと時代に応じて変化してきた。1997年(平成9年)の河川法の改正では、「環境」の項目が加わるとともに、河川整備の計画策定においては、地方公共団体、地域住民の意見を反映する手続きを導入するなど、新しい河川行政の枠組みが定められた。
  • 広瀬川に関する近年の取り組みも、「治水」、「利水」といった基本的な取り組みに加え、「環境」、「地域との連携」の視点からの新しい取り組みが進められている。国では「仙台地域水循環協議会」を、宮城県では「広瀬川懇談会」を設置し、市民参加により、マスタープランや個別課題の計画の策定について検討してきた。
  • 2000年(平成12年)の河川法の改正に伴い、政令指定都市への河川の維持管理に関する権限委譲も可能となったことから、現在、宮城県と仙台市の間で課題等の調整を行っている。
  • 市には、広瀬川に関連する施策・事業を行っている課が20課以上あり、検討あるいは実施中の施策・事業が40余りある。
  • 国・県・市において、広瀬川に関連した多くの計画、施策・事業が既に作成されており、それら相互の連携・調整が重要である。
図5 かつての「杜の都」(水と緑と共生し、水を巡らす循環都市のイメージ)
図5 かつての「杜の都」(水と緑と共生し、水を巡らす循環都市のイメージ)
出典:仙台市の環境-平成8年度実績報告書(仙台市/1997年)

3.広瀬川に関する市民活動団体等の取り組み

  • 「市民活動ハンドブック第3版」(仙台市/2002年)によると、仙台市をフィールドとして、1,000を超す市民活動団体が活動している。このうち、広瀬川に関わる活動を行っている団体は、40団体程度と考えられる。
  • 広瀬川に関連する市民活動団体は、1960〜1970年代に設立されたものも多いが、1990年以降、新たに設立されたものも多い。活動内容は、身近な川岸の清掃から、自然観察・調査、環境教育・啓発、イベント開催、計画の立案・提言など、多岐にわたる。
  • 広瀬川に関連する市民活動団体のうち、市内の他団体と連携した活動を行っているのは4〜5団体程度で、団体相互の連携はあまり活発に行われていない。連携の内容としても、実践的な活動よりも情報交換的なものが多い。
  • 広瀬川に関する市民活動団体においては、共通して、参加者が固定化する傾向にある。後継世代の育成や、若年世代の参加を促す活動が必要とされている。

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