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3.調査結果の概要

(3)仙台市民と広瀬川との関わり

 以下は、市民アンケート調査の結果より、記述する。

1.仙台市民にとっての広瀬川のイメージ等

  • 市民アンケート調査結果から、仙台市民が共通して持っている広瀬川のイメージは、「宮城県で有名」「好き」「身近にある」「近づきやすい」「穏やかな」「景観が美しい」であることがわかった。
  • 仙台市民は、広瀬川に関心を持つ人が多い。広瀬川に「大いに関心がある」人は17%であり、「ある程度関心がある」人41%と合わせると、市民全体の6割弱程度が広瀬川に関心を持っている。広瀬川への関心がない理由は、「自分の仕事や生活との関わりが少ないから」「自分の家から遠くにあるから」「よく知らないから」等である。
  • 多くの市民が、「広瀬川は仙台市のシンボル(象徴)である」、「仙台市民の多くは広瀬川に愛着を持っている」と考えている。これに比べると、「仙台市民は広瀬川を大事にしている」「広瀬川の保全・活用に関する市民活動が活発である」と考えている市民は少ない。
図6 広瀬川についての基本認識図6 広瀬川についての基本認識
注1) グラフ中のスコアとは、各項目において、「そう思わない」を-2点、「どちらかといえばそう思わない」を-1点、「どちらともいえない」を0点、「どちらかといえばそう思う」を1点、「そう思う」を2点と換算し、その平均点を示している。項目はスコアの降順にソートしている。
注2) 集計サンプルは、流域のサンプルの割増抽出分を除いているため、回収サンプル数と異なる(以下同)。

2.仙台市民の広瀬川への親しみ方

  • 仙台市民が広瀬川を見る回数は年平均77回、広瀬川の水辺を訪れる回数は年平均13回程度である。回数別の内訳を見ると、広瀬川を「1ヵ月に2回以上」訪れるものは1割にすぎず、訪れることが「ほとんどない」とするものが4割もいる。
  • 広瀬川の水辺で行った活動は、「散歩・散策」「芋煮会」が突出して多く、次いで「花火」「釣り」「景色をみる」「自然観察・動植物の採集」「水遊び」などが多い。活動を行った場所は「三居沢・牛越橋」「千代大橋」「宮沢橋」「広瀬橋」など市街地に近い中流域が多い。時期は「秋」と「夏」、同行者は「友人」と「家族」が多い。
  • 仙台市民の2割超の人が、「芋煮会・バーベキュー」「石投げ」「水泳・水遊び」「花火見物」等を広瀬川及びその水辺で子どもの頃に行った経験がある。しかし、3人に1人(32%)が、「広瀬川で遊んだりした経験がない」と回答している。
  • 広瀬川以外の川の方が、子どもの頃に水辺で遊びを行った経験者が多い。これは、広瀬川が子どもにとって遊びにくい川となっていることの現われとも考えられる。

3.仙台市民が想う広瀬川の将来像

  • 将来に引き継いでいきたい「広瀬川」の良さとして、7〜8割前後の人が、「清らかな水」「橋」「清流に生息する動物(ヤマメ、イワナ、カジカガエル、ホタル等)」「川で行う年中行事や祭(灯ろう流し・七夕花火祭り等)」と回答した。
  • 仙台市民が希望する広瀬川の将来像は、上流、中流、下流毎に異なる。上流は「できるだけ人の手を入れない自然のままの川」「多様な動植物が良好に生息・生育する川」、中流は「景観が美しい川・眺めて美しい川」「市民が水に親しめるように、水辺に近づける川」「多様な動植物の観察や生き物とのふれあいができる川」、下流は「洪水のない川」「市民が水に親しめるように、水辺に近づける川」といった将来像を希望している。
写真14 作並温泉付近 写真15 鵜長瀬 写真16 宮沢橋の上流左岸

4.広瀬川に関わる活動への参加状況と意向

  • 広瀬川の保全・活用に関する活動に、「いつも参加している」と「ときどき参加している」人は約1%である。「活動に以前参加したことがある」とする人と合わせても4%にすぎない。広瀬川以外の川に関する活動への参加率も、ほぼ同様の回答結果である。
  • 今後参加したい活動は、「広瀬川に親しむイベントへの参加(参加者として)」の回答率が33%と最も多く、次いで「清掃活動への参加」同26%、「広瀬川の自然・生物に関する調査・研究(身近な生き物調査等)」同15%、「広瀬川の活用・保全のための活動資金の寄付」同15%である。
  • 広瀬川の保全・活用に関する活動への参加条件を質問した結果、「遊びながら、楽しくやれるような活動」であれば参加するという回答が48%、次いで「子どもや家族、友人と一緒に参加できるような活動」同41%、「自宅の近所や行きやすい場所で行われる活動」同37%であった。

5.「広瀬川創生プラン」づくりへの参加意向

  • 「広瀬川創生プラン」への参加意向は、「積極的に参加したい」とする人が3%、「できるだけ参加したい」同7%、「場合によっては参加してもよい」同28%であった。
  • 広瀬川創生プラン」の策定を市民協働型で行うために市がとるべき方法について質問した結果、回答率が高い順に、「市民の意見を募集する(ファクシミリやインターネットなどで意見を受け付ける)」51%、「関連する活動を行っている多くの市民活動団体に協力してもらう」32%、「市民の誰もが参加できるワークショップを設け、市民が中心となって議論を行う」29%、「インターネットの掲示板やメーリングリストで意見交換を行えるようにする」21%、「市民の代表も参加する委員会を設け、議論を行う」20%という結果であった。

6.市民属性による広瀬川との関わりの相違

  • 男女ともに、若い世代ほど広瀬川への関心が薄く、広瀬川を知らない傾向が強い。例えば、広瀬川に「あまり関心がない」「関心がない」と回答した率(広瀬川への無関心率)は、全体で26%であるのに対し、男の20歳代は40%、女の20歳代は34%となっている。若年世代が広瀬川への関心が弱い理由として、子どもの頃に広瀬川で遊んだ経験が少ないことが考えられる。
  • 世代別に広瀬川を見る回数と水辺を訪れる回数を比較すると、見る回数はむしろ若年世代が多く、訪れる回数は若年世代で著しく少ない傾向にある。また、広瀬川の水辺でしたことがある活動は、若年世代において、芋煮会が他の世代よりも突出して多くなっている。若年世代にとって広瀬川は、見る川であり、芋煮会以外では滅多に行かない場所になっている。
  • 若年世代は、広瀬川の保全・活用に関する活動への参加率が低く、総じて今後の活動への参加意向も低い傾向にある。活動に参加する条件を「遊びながら、楽しくやれる」「自分が学べたり、役に立つ」こととする回答率が高いことも、若年世代の特徴である。また、若年世代ほど、「広瀬川創生プラン」を市民協働で行う手法として、「インターネットの掲示板やメーリングリスト」を希望する比率が高いことが特筆される。
  • 居住地による広瀬川に対する関心は、相対的に上流域や中流域の住民が高い。下流域では、名取川合流後の川を広瀬川と認識していないためか、広瀬川への関心は低い傾向にある。広瀬川を見る回数は上流域ほど多く、広瀬川の水辺を訪れる回数は下流域ほど多い傾向にあることも特筆される。
  • 将来に引き継いでいきたい「広瀬川」の良さとしては、上流域の住民が「手つかずの自然」を、中流域では「街並みと調和する景観」や「橋」を、下流域では「河川敷公園のある景観」をあげる比率が高いことが特徴的である。
  • 広瀬川に関する活動への参加状況は、中流域の住民で相対的に高い傾向にある。「広瀬川創生プラン」への参加意向では、「積極的に参加したい」「できるだけ参加したい」とする層の比率は居住地別に大差はないが、「場合によっては参加してもよい」とする比率が中流域・上流域の住民の順で多く、下流域の住民では「参加したくない」「わからない」とする比率が高いことが特筆される。

7.仙台市民の広瀬川の価値評価

  • 仮想評価法(CVM: Contingent Valuation Method)という方法を用いて、広瀬川の貨幣価値を計算した。具体的には、広瀬川の保全・活用のための維持管理を行う基金への年間支払い意志額を質問し、その結果を個人属性による違いを含めて分析した。その結果、仙台市民(20歳以上)一人当たりの支払い意志額は、年間1,686〜1,881円となった。これに仙台市民(20歳以上)の総人口を乗じると、仙台市民(20歳以上)全体の支払い意志総額は年間13.3〜14.8億円となる。
図7 広瀬川への関心程度〔性別・年齢別〕
図7 広瀬川への関心程度〔性別・年齢別〕
図8 広瀬川への関心程度〔中学校区別・年齢別〕
図8 広瀬川への関心程度〔中学校区別・年齢別〕
注)「大いに関心がある」を2点、「ある程度関心がある」を1点、「わからない・どちらともいえない」を0点、「あまり関心がない」を-1点、「関心がない」を-2点と換算し、学校区別にその平均点を示している。

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