1-4 広瀬川の課題
1-4-1 システム面における課題
行政システムについては、市民の考えや意見をよく知り、管理に反映させるシステムづくり、管理の計画・設計段階から市民が広く参加できるシステムづくりが求められています。
また、広瀬川の管理が一元化されておらず、市・県・国の管轄が入り組むなどの現状は市民にとって特に分かりにくく、誤解を生む原因ともなっています。
同時に、昭和49(1974)年仙台市によって制定された「広瀬川の清流を守る条例」のPR不足があります。この条例は、広瀬川の環境保全区域における行為の制限と、水質保全区域での排出水の水質規制等により、良好な自然環境を保全していこうとするものです。そこに明記にされている、広瀬川をよくするための基本的な考え方と方策について、市民共通の理解と認識を持ちたいと思います。
市民側のシステムについては、広瀬川に関わる市民活動団体が互いにもっと有機的に連携することが重要です。若い世代の参加をいかに促すかの工夫を含むことを忘れてはなりません。
1-4-2 親水の面における課題
段丘地を流れる広瀬川には自然のままの河岸散策路は少なく、地形的に可能な区間に遊歩道の設置が望まれています。
多くの人々が集う中流域の各河畔公園等には、環境に配慮したトイレの設置が求められています。
また広瀬川は藩政期より、人々に密着した存在としてさまざまな歴史を持ち、記録も残っておりますが、市民全体としてみるとあまり知られていないのが現状です。それらに対する興味と関心を呼び覚ますための案内板や、初めて訪ねる人たちにも地理的な状況が分かるような、川の案内板が必要です。
川が川らしくあるためには、何よりもまず豊かな水量のあることが一番です。そのような姿を持つ広瀬川に魅力を感じない人はいないでしょう。私たちは、瀬があり淵もあり、そして清らかな水の豊かな広瀬川を後世に渡すための研究と努力を惜しみません。
1-4-3 治水・利水面における課題
上流域の樹木の伐採や乱開発に対して山の保全が追いつかず、手入れ不足になり、保水力の低下を招き、川の流れを自然ではないものにしていると同時に、洪水災害をことさら大きくしていることは、広瀬川のみの問題ではありません。本来は、自然の恵みと脅威を併せ持つ河川を、短絡的な考えで人間のためにのみ利用しようとする考え方を改めていく必要があるでしょう。根本的な治水対策とは何なのか、川の本来の姿とは何なのか、その両面を私たち自身の問題として考えていかなければならないと思います。
また、河道内に発達する寄州や中州と、そこに繁茂する植物類の管理に関しても、野鳥などの生息環境への影響を極力少なくし、環境に配慮した治水機能を確保する対策も求められています。
護岸工事についても、災害防止を最重要目的としつつ、一方で、川の流れ方への影響、水辺に棲む生物への影響、景観的にはどうかなども視野に入れた計画・実施をしていくことは、私たちの当然の義務と考えます。
河畔林の減少や濁水などの問題も、科学的な目と偏らない視点をもって解決に導いていきたいと思います。
1-4-4 川に対する認識の面での課題
昭和の時代までの川遊びの伝承が途切れたことによって、川に入って楽しむ子どもたちの姿が見られなくなりました。川は何よりも面白いところという認識が、川は怖いから行ってはいけないところというような認識に変わってしまったのです。
川を交通に利用したり、漁をして食べ物を得ることもなくなったために、川と人々との暮らしが遊離してしまい、川との関わりが確かな形で生きていた文化も失われてしまいました。
そのことと深い関連があると考えられることは、川を汚すことへの無自覚・無神経さです。直接汚すことはもちろん、日常の暮らしの中で無意識のうちに汚す原因をつくっていることにも明確な自覚が必要です。それは、例えば下水道に流す生活排水とは別に、屋外で洗剤を使って洗車した水、あるいは園芸肥料を施したあとの雨、それらの水は雨水のルートで流れ、ついには広瀬川に入ります。生物に有害であるとされる化学物質を含むものを、気づかぬうちに川に流し、自然環境を汚染していることを知ることが大切です。
ゴミ問題も含め、環境汚染による被害者も加害者も私たち自身であることを理解し、自分のことを棚に上げる式ではない解決の姿勢をとりたいものです。
特に若い世代の川への関心が希薄であること(平成13(2001)年度実施市民アンケート調査)に対しては、若い世代自らの取り組みが期待されます。その取り組みに支援や協力を買って出る世代にも、大きな期待がかけられています。