4-1 広瀬川創生を実らせる仕組み
市民が主体的に自主運営する広瀬川自治管理活動の拠点として、(仮称)『広瀬川市民会議』を設置します。それを支え、活動の継続と市民の多様な参加を促す形態の一つとして、(仮称)『広瀬川市民協働基金』(市民ファンド)を創設します。以上の市民の活動とほぼ同時進行で、行政に設置された『広瀬川の窓口』が、市民の要望に応える機能を発揮することで、広瀬川創生に向けた活動が緒につきます。そこから広瀬川創生元年が始まります。
4-1-1 (仮称)『広瀬川市民会議』
(仮称)『広瀬川市民会議』は、広瀬川に関心を持っている多くの市民が気軽に参加できる、緩やかなネットワーク組織とします。呼びかけには、全国のあらゆる広報媒体を使います。遊び・歴史文化・流域活動・環境保全等の分野を問わず、(仮称)『広瀬川市民会議』のテーマとします。それぞれのテーマを市民が持ち寄り、活動の中長期計画を練りながら、主体的な運営をします。
例えば、それぞれの活動の呼称を、≪○○分科会≫≪○○クラブ活動≫≪○○同好会≫≪○○勉強会≫ など、活動主体者が自由に命名します。
例:≪広瀬川市民会議/記録ビデオ作成分科会≫
≪広瀬川市民会議/広瀬川と楽しく遊ぶ 千(仙)の提案募集委員会≫
≪広瀬川市民会議/河川敷活用調査クラブ≫
≪広瀬川市民会議/堰(河道内構造物)勉強会≫
それぞれの活動発表を年1〜2回、≪広瀬川市民フォーラム≫において実施し、様々な機会をとらえて広瀬川への共通認識を深める工夫をしていきます。
(仮称)『広瀬川市民会議』は、広瀬川に関心があり、愛しているということでつながる出入り自由な組織です。会員は、基本的な組織を支える通信費程度の会費を負担します。(仮称)『広瀬川市民会議』はそれぞれの活動の広報を受け持ち、各活動体のネットワーク化を担当します。(仮称)『広瀬川市民会議』と(仮称)『広瀬川市民協働基金』(=広瀬川ファンクラブ)と『広瀬川の窓口』が有機的につながり、スムースな連携、運営が出来るようなコーディネートも受け持ちます。(仮称)『広瀬川市民会議』は自主的に関わる市民の連合体です。自立した活動として充実させていくためにも、将来的には社会的に責任のある活動の展開に向けて、NPO法人化への検討も視野に入れていきたいと思います。
今年度実行委員会で調査し作成した広瀬川流域活動カレンダーは、(仮称)『広瀬川市民会議』が作成する活動カルテ(各市民団体の活動履歴や、行動予定表)とともに年度毎に更新をし、新しい情報の提供を底流にしながら、広瀬川に関わる活動の基本としていきます。活動カレンダーの作成を通して、市民間の連携が図られると同時に、河川管理体制の複雑に交叉する行政組織の簡素化への誘引にもなると思います。
今年度作成した流域活動カレンダーは、流域各主体が個別に企画運営している活動、たとえば清掃活動をより鮮明に浮かび上がらせる効果がありました。他団体を「知る」手懸かりとするため、カレンダーを有効活用することにより、互いに連携して清掃活動を効果的に進めることが出来るようになります。下流の人たちは水の生まれる上流のことを、上流の人たちは水の行き先である下流のことを知り、人と人とが分かりあう人間的なつながりが生まれ、広瀬川は本当の意味で元気になっていきます。
「川遊びに関しての約束、気をつけること、川遊びは楽しいよ!」というパネルも作成しました。水辺での遊びを大人にも子どもにも、体験してもらいたいと思います。広瀬川ミステリーツアーではカヌー体験を計画しました
(「広瀬川への手紙」の応募者から公開抽選で選抜された方々)。はじめ怖々だった方たちも、川面をすべるカヌーに身を任せる心地よさを体験し、水面からの新たな視界に胸ワクワクのカヌー試乗会でした。
川遊びには、道具も安全装備も川遊びの先生も必要です。川遊びにより多くの市民を惹きつけるためにも、安全を確保するためにも、遊びに適した常設の場所があることが必要です。川には、人を育てる全ての宝があるといわれています。栃木県真岡市では、川を活用して子どもたちの育ちの場をつくっています。先生は、地域の中の様々な体験と技量を持つ人たちです。プログラムは子どもたちがつくります。
わたしたちの広瀬川でも「川の学校」を開校します。太白区八本松に設置されている「水辺の楽校」も、市内小中学校の水辺体験のフィールドに活用します。水辺は全ての「いのち」が触れ合うところです。子どもたちが子どもたちの視点で、最初に「いのち」と出会うには最適の場です。
広瀬川歴史年表や、仙台城下の町並みの成り立ちや四ツ谷用水などについても、研鑽を積み検証を重ねることは、これからの広瀬川を活用するプログラムづくりには大切です。広瀬川には大グモ伝説や民話、言い伝えも数多くあります。それらの掘り起こしや伝承の工夫からも、たくさんのプログラムが生まれることでしょう。その糸口を、今年度事業の中でパネルにまとめることが出来ました。花火大会の歴史もひもときました。三居沢にある我国で一番古い水力発電所(現在も八木山地区へ送電している)の設置にまつわる事情も、発電所の古い写真も見つけることが出来ました。魚道や堰の課題も見えてきました。広瀬川のこれまでの歩みを探ることが、私たちのこれからの活動の基礎になることと考えます。
4-1-2 (仮称)『広瀬川市民協働基金(市民ファンド)』=「広瀬川ファンクラブ」
継続的な活動を支える仕組みとして、広瀬川に関心のある市民(全国に呼びかける)・企業・行政の協力で、運営のためのファンドづくりを実施します。そのために金融界、商工界、大学はもちろんのこと、広瀬川に想いを寄せる全国の方々を対象に「広瀬川ファンクラブ」制度をつくります。そこでは清掃作業ボランティア、お便り・広報担当ボランティア、パソコン担当ボランティア、などなど手・足・頭の労力提供も経済的支援も含め、多くの市民の広瀬川への想いを形にしていくため、ボランティアコーディネーターの養成やボランティアプログラムの開発に努め、(仮称)『広瀬川市民協働基金』に参加するための多様なボランティアメニューを提示します。
水源税、地域通貨、クレジットカードの活用など、他地域で実証済みのプログラムも取り入れながら、市民の参加・参画を募って広瀬川らしい(仮称)『広瀬川市民協働基金』のシステムづくりにも取り組み、3年後を目標に、立ち上げを目指したいと思います。
4-1-3 『広瀬川の窓口』
広瀬川に関連する市民の活動をスムースに推進するため、市民を迎える行政側の窓口を一つにし、広瀬川創生プラン・市民自治の支援を行います(たとえば、広瀬川創生事業推進室)。『広瀬川の窓口』は、広瀬川に関する各機関の情報収集や情報の整理を担い、そこを訪れた市民からの問合せや相談に対し、市民の立場に立って速やかに行動を起こす部署とします。
この『広瀬川の窓口』が市民の信頼を得る仕事をすることが、広瀬川創生事業が成功するかどうかの鍵を握ります。
たとえばこのような例もありました。河川清掃を実施するためには、河川緑地公園も利用します。そこで、区役所に出向き、公園担当者に≪公園使用願い≫を申し出ます。ゴミの処理はどこにお願いしたらいいのか、と問うと、「公園内のゴミは処理するが、川の中のゴミは管轄外。どこの清掃をするのか? 川の中のゴミなら河川管理者(国や県)の管轄になる」。また別なとき、河川管理者に言われたことは、「公園を管理しているのは区役所だが、河川敷の底地は河川管理者が持っている」。常識的な一般市民には大変理解しにくい言葉が飛び交います。広瀬川創生プラン素案づくりを通して熟成してきたはずの市民パワーが、そのような場面では一挙に消え失せてしまいます。諦めが先に立ち、立ち上がれない程萎えてしまいます。市民にとって、行政に属する人たちから言い渡される言葉は、まだまだ計り知れない重みを持っているのです。