【実施報告】広瀬川写真撮影ワークショップ

令和元年度に実施した「広瀬川写真撮影ワークショップ」について報告します。


多くの方が広瀬川の魅力を感じるとともに情報発信のきっかけとなるよう、今年度の新イベントとして写真家の伊藤トオルさんを講師に迎え、米ヶ袋界隈の広瀬川を会場に「広瀬川写真ワークショップ」を開催しました。

 ワークショップ 1日目
  • 日   時:2019年11月17日 (日)9時〜12時
  • 集合・解散:片平市民センター 3階 第一会議室
  • 撮 影 会 場 :米ヶ袋界隈の広瀬川
  • 講   師:伊藤トオル
  • 参 加 者:9名

片平市民センター3階 第一会議室に集合し、まず最初に、事前に伊藤講師が撮影した広瀬川の写真を使って、撮影と後処理等の基本についての解説が行われ、光の捉え方等写真撮影の基本を学びました。

1時間程の座学終了後、撮影スタート地点の霊屋橋下流の河川敷へ徒歩で向かいました。

スタート地点の河川敷に到着し、最初に説明が行われて、各自思い思いに撮影がスタートしました。

伊藤講師によるアドバイスが個々の参加者に行われます。

最初のポイントで15分程度撮影を行い、次の撮影ポイントの県工前に全員で移動します。

移動中もみなさん撮影が続きます。

県工周辺でも15分程時間を取って撮影を行い、最後の撮影ポイント米ヶ袋スポーツ公園に向かいました。

最終撮影ポイントの米ヶ袋スポーツ公園に到着後、撮影開始前にみなさんに一度集合集いただき、伊藤講師からこれまでの撮影についてのお話しなどをいただきました。

伊藤講師からの話のあと、最終撮影ポイントでみなさんに自由に撮影を行ってもらいました。

米ヶ袋スポーツ公園周辺での撮影終了後は、片平市民センターに戻ります。

片平市民センターでは、次回の開催に向けて写真データの提出方法、提出枚数、次回実施内容等をお知らせして、1日目のワークショップが終了しました。

 ワークショップ 2日目
  • 日   時:2019年11月24日 (日)9時〜12時
  • 集合・解散:片平市民センター 3階 第一会議室
  • 講   師:伊藤トオル
  • 参 加 者:10名

一週間後、2日目のワークショップを片平市民センター3階 第一会議室で開催されました。
今回は、事前に提出いただいたみなさんの写真データをプロジェクターで映しながら、写真のテーマの考え方、トリミングやレタッチ等後処理等の基本の説明が行われました。

基本の説明の後、各自が撮影した写真の中から、組写真としてそれぞれ3枚の写真を選び、写真の「タイトル」、「コメント」、「3枚の組写真で伝えたい事」を記載の上、発表を行ってもらいました。発表終了後は、別の参加者のお一人から作品についてのコメントをいただき、2日目のワークショップが終了しました。

当日発表された組写真

※ 許可を受けた作品を撮影者の五十音順に掲載


晩秋

内海 敬一さん 

□ 3枚の組写真で伝えたい事

撮影当日は、風がとても強かったので「風」をテーマとして撮影した。風そのものは目に見えないので、ススキ、雑草、木のゆらぎと風によって生まれた落葉によって表現した。

□ 講師講評

撮影当日は風の強い日だったので、「風」をテーマに撮影したそうです。ススキの写真では、スローシャッターでぶらして撮影した方が効果が出たかもしれません。枝から落ちる一枚の葉、川面を流れる銀杏の葉などは、静かな音楽を聴くイメージに満ちています。。


広瀬川の在る幸せ

佐藤 笑美子さん 

□ 3枚の組写真で伝えたい事

都会の中に清流が流れる幸せは仙台市民にとっての「ほ・こ・り」です。美しい橋のデザインが改悪されないように…。

□ 講師講評

広瀬川のフォルムにフォーカスし組み合わせた3枚です。広瀬川のように蛇行しながら街中を流れる川が存在するのは珍しいですが、それがよく表現されています。


広瀬川を彩る光の形

宍戸 智美さん 

秋に残した緑

寒空のスポットライト

秋の光

□ 3枚の組写真で伝えたい事

身近な風景にも物語はたくさんある。いつもあたりまえのようにある広瀬川。光を切り口に、各々の物語を切りとりました。この風景を守っていけるといいな。だれかにこの気持ち伝わるといいなとシャッターを切りました。このような機械を作っていただき感謝しております。ありがとうございました。

□ 講師講評

風に揺れる葉擦れの音。砂地の石の孤独の音。水面に反射する光にも音がある気がしてきます。3枚の組み写真の中で、音の物語が心地よく表現されています。


ゆっくりと時を重ねて

沼田 信枝さん 

□ 3枚の組写真で伝えたい事

一日一日はあっという間に過ぎていくけれど、自然は、いつの間にか、しっくりと形をつくっていってるのだなと思いました。時の流れを感じられるといいなと思いました。

□ 講師講評

「時間」は写真の一つの属性で、それを3枚の組み写真で表現するのは簡単なことではありません。風景に対峙し、イメージを切り取る感性をお持ちの沼田さんには是非、「単写真」あるいはもっと枚数の多い組み写真で「時間」を表現して欲しい。


ペア ペア ペア

広江 康子さん 

□ 3枚の組写真で伝えたい事

たまたま2人組が写せたので、モデルさんの力をお借りしたいしたいと思います。

□ 講師講評

「ペア ペア ペア」というタイトルがユニークで、心がほっとする作品です。
中でもペアのワンちゃんが写っている写真を見ていると、今も広瀬川のどこかでこんな情景が繰り広がれてると想像すると楽しくなってきます!


広瀬川の表情

本田 勝彦さん 

□ 3枚の組写真で伝えたい事

広瀬川は流れている場所で色々な表情を見せてくれる。上流域は自然との調和を保っている一方、深い渓谷や断崖で人を寄せつけないように見える。中流域では、高層ビル群に守られゆるやかに流れて行く。下流域では高層ビル群と別れを告げ終焉を迎えるさびしい表情も見せてくれる。広瀬川は人の人生も表現しているように見える。

□ 講師講評

「広瀬川は流れている場所で色々な表情を見せてくれる」と本田さんもコメントされていますが、同じ場所、同じ瞬間でも見る角度が違うと全く異なった顔をみせてくれるのが広瀬川の素晴らしいところです。このような川が存在する街に住む喜びを、この写真は教えてくれます。


きらめき

吉田 和子さん 

□ 3枚の組写真で伝えたい事

街の中を流れている広瀬川はキレイなかわだなぁと改めて思いました。

□ 講師講評

「きらめき」と題された3枚。光と影が印象的で、水の揺らめきに流れる枯葉、そこだけ光が当たったコンクリートなど、静かでいながらとても詩的な作品です。


川と街と橋

□ 3枚の組写真で伝えたい事

川の流れにそった街が昔からも生きている。

□ 講師講評


「川と街と橋」とストレートに題されたように、広瀬川はそこに生活する人々と共存、共生している。その営みはずっと昔から繰り返されてきたのだろう、と想像させてくれます。