夏篇 第3回 天敵襲来!
マサ
この時期、暑さ以外ではミツバチにとって一番大変なことは何ですか?
大竹
天敵のスズメバチが襲ってくることです。
マサ
スズメバチが?。
大竹
スズメバチは雑食性なので、蜜をたっぷり貯め込んでいるニホンミツバチは巣も含めて良いエサなんです。
この天気ですから、ミツバチだけでなくスズメバチも活動が盛んになっています。
と、話を聞いているところへ、1匹のキイロスズメバチが襲来!
マサ
大竹さん、大丈夫なんですか。
大竹
巣箱にはちゃんと「番兵」たちが見張っているので大丈夫。ちょっと様子を見ていましょう。
スズメバチが巣箱に近付くと、なんと数十匹のミツバチたちが取り囲むようにして、あっという間に団子状に固まってしまいました。
マサ
この変わった動きは何ですか?
大竹
ニホンミツバチ独特の習性で、働き蜂が集団でスズメバチを団子状に取り囲み、50℃前後の熱で蒸し殺してしまうんです。
腹を動かすことで熱を出し、10分から20分ほど囲って殺します。
大竹
このために番兵の働き蜂が巣箱の外と中にいて、で、天敵のスズメバチを待ち構えているんですよ。
巣箱の出入り口を見ると、確かに番兵のミツバチが多数いました。花粉や蜜を運ぶミツバチが出入り口を頻繁に出入りしている側で、外を向いてじっとしています。
マサ
こうやって自分の命をかけて群れを守るとは素晴らしい習性ですね。
大竹
ええ。それと、スズメバチの死骸が巣箱の近くにあると、その匂いにつられて他のスズメバチがやってくるため、働き蜂たちは巣から離れたところへ捨てに行くという用心深さもあります。
マサ
はじめ見た時はこの暑さなので、じっとして休んでいるだけなのかと思っていました(笑)。
大竹
ただ休んでいるだけのように見えますが、ああしてスズメバチと戦うだけでなく、帰ってくるミツバチが同じの群れの仲間なのかをチェックしたりもしているんです。違う巣箱のミツバチが来たら、場合によっては番兵に殺されてしまうこともあるんですよ。