秋篇 第4回 同じ巣箱から採れたハチミツでも
ところで、同じ群れのミツバチたちが集めたハチミツでも、味や香は全然違うそうです。
大竹
マサくん、よく見てください。同じ巣箱の中にあるハチミツでも色が少し違いますよね。こっちも食べてみてください。
そう手渡されたハチミツを舐めると、先ほど食べたものに比べると、ややあっさりとしてすっきりした甘み。
マサ
さっきのものとは、味も香も全然違いますね~
大竹
蜜を採った時期や蜜源となる花の種類などによって味が違うんですよ。この部分のハチミツは、最近集められたばかりのものだと思います。
マサ
ハチミツの色も琥珀色より少し薄い黄金色ですね。
大竹
蜜源となる花の種類にもよりますが、時間が経ったものほど、熟成された味わいになります。
大竹
このあたりなんかは、かなり濃い色になっていますよね。味わいも違うと思いますよ。
マサ
本当だ。季節の移り変わりを通じて、いろいろな花の蜜を集めていることが、こうして比べてみると、よく分かりますね。
働きバチたちがせっせと集めてきた花の蜜は、そのままではハチミツにはなりません。ミツバチの体内にある酵素によって蜜が熟成されることで、初めてハチミツになるのだとか。
こうして出来たハチミツは、貯蔵するための小部屋に持ち運ばれた後、働きバチが羽ばたきをして風を送ることで、水分が蒸発し濃度が高められます。
そして最終的には、蜜ろうでふたをして保存用の食料となるわけです。
マサ
今年は量だけでなく質も良さそうですね。
大竹
ええ。今年は非常にいい出来ですね。夏の猛暑を乗り切ってきた優秀なミツバチたちのハチミツです。