vol.11 染師の町で染物体験

第1回 南染師町の発祥

仙台市若林区南染師町。この地名から、染物に関係のある町だとすぐに気付く人が多いことでしょう。

仙台駅の南およそ2キロの場所に位置する南染師町。その歴史は400年近くに及びます。伊達政宗公に仕える染師たちはもともと、広瀬川のほとりにある青葉区霊屋下に寄留し、広瀬川の水を利用して染物を行っていました。政宗の没後、二代忠宗公はその遺言によって瑞鳳殿を建築、霊屋下にいた染師たちを七郷堀の水流を利用するため、集団で現在の南染師町に移り住むようにさせたのが始まりとされています。

藩政時代、仙台の染師町は2か所あり、もう一つは北目町と田町の間にあって「上(北)染師町」と呼ばれていました。上染師町が主に上級武士を相手に絹物を扱い、藩の御用を勤めたのに対し、南染師町は木綿が主で足軽の脚絆の需要に応え、大町の商人の染物も独占して扱ったということです。

今は住宅やアパート、マンションが立ち並んでいますが、南染師町周辺には南鍛冶町や石垣町、穀町、畳屋丁など、当時の生活に密着した城下町の町名が数多く残っていて、その歴史を感じさせられます。

参考:若林区の魅力発見(平成14年度仙台開府400年記念事業)

「町名に見る城下町」
http://www.city.sendai.jp/waka-katsudo/wakabayashiku/machizukuri/miryoku/jokamachi.html