第3回 カルチャーショック

●本間ちゃん

最初は番組で方言を使っていなかったんです。
元々はFMラジオの番組で仕事をしていたので、
作り手側としても出演する側としても
「FMは、かっこよく喋らなくてはいけない」
という思いがあったので。
「さあそれでは、次の曲をお送りしましょう!」みたいに。
ところが、あるライブのご招待を受けて大阪に行った時に、
ホテルでFM802を聞いたんですね。
すると、番組の出だしが「まいどー!」なんですよ。

●聞き手

何だこれは、と(笑)。

●本間ちゃん

カルチャーショックを受けましたね。
「ええー!大阪ってこうなの!?」って。

考えてみれば
FMの電波ってそんなに遠くまで飛ばないんですね。
岩手・福島・山形の一部くらいまでです。
それでやっぱり、
地元に即したプログラムで良いんじゃないか
と思ったんです。
ロケで行った沖縄のFM放送も、
もちろん、我々が聞いたら
分からない事を言っている訳ですよ。
でも、なんとなく沖縄で方言の放送を聞いていると、
空気感が心地良いんですよ。
「ここ、沖縄なんだ」という気持ちにさせてくれる。
言葉って、そういう効果があるんじゃないかと思って、
少しずつ、やってみたんです。

●聞き手

なるほど。

●本間ちゃん

一気には変えられませんから、
訛ったメールが来た時に、
訛って読んで、
訛ってリアクションするところから。
「なんだ、いがったっちゃ、んで」といった具合に。

●聞き手

そうして、いまのスタイルを確立した。

●本間ちゃん

スタイルという程ではないですけど、
それが喜んでいただけたんです。
喜んでいただけたという事は、
やった方が良いだろうと。

そこから始まって、
在り物の音源を使って方言でラップを作ったり、
先日は、トヨタ・パッソのCMで話題になっている
「でんでらりゅーばー でてくるばってん・・・」
の長崎県の童謡も、
宮城弁だとどうなるんだろうと考えてみたんです。

●聞き手

どうなるんですか?

●本間ちゃん

ではんねいごって ではんだげっど
ではらいねぇがら ではんねびっちゃ
いぐべぇどっても いがいねがぁら いがねがら
こんな事ばっかり考えてるんですよ。

●聞き手

いや、これは凄いですね!(スタッフ一同、驚嘆)