第2回 四ツ谷用水の取水口へ

四ツ谷用水の取水口は、広瀬川上流に位置する青葉区郷六の「四ツ谷堰」。明治10年代に造られたというこの堰は、現在も工業用水の取水口(郷六取水口)として利用されています。普段、立ち入ることはできませんが、今回は許可を得て見学してきました。

【四ツ谷堰】

階段を下って川面まで近づくと、川幅いっぱいに流れる水が向きを変え、取水口へと流れ込んでいく様子が見えます。

【郷六取水口】

柴田さん「ここから仙台港方面へと水が流れていくんですよ。1日に2万トンから3万トン取水しているそうです」

ここで取水した工業用水は「仙塩工業用水道」として、仙塩地区の多くの企業で使われています。工業用水は飲料用以外のあらゆる目的で利用することが可能で、上水道に比べ使用料金が格安。地盤沈下など地下水障害を防ぐことにも役立っているそうです。

四ツ谷用水の取水口はもともとこちらではなく、800メートルほど下流にあったことを教えていただきました。伊達家の別荘である「郷六御殿」の近くで、現在の「北堰」(三居沢発電所の取水口)のあたりにあり、「古堰」と呼ばれていたそうです。広瀬川の河床高の変遷に応じて、上流部へと取水位置が変わっていきました。

【四ッ谷用水は平成28年度に「土木学会選奨土木遺産」に認定されています】