第2回 いざ、潜入!!

市内に3ヶ所残っている煉瓦下水道のうち、青葉区西公園・C60広場(SL広場)そばの地下に埋設されている下水道が、11月3日から見学できるようになりました。歴史的に貴重な煉瓦造りの下水道をより多くの市民に知ってもらうことで、市の下水道事業に興味・関心を持ってもらおうと、仙台市は西公園内にこの煉瓦下水道を見学できる施設を整備。月ごとに公開日を設定し、事前予約制で一般の方が見学することができます。
(参考:仙台市ホームページ https://www.city.sendai.jp/keekikaku-shomu/kurashi/machi/lifeline/gesuido/gesuido/koho/gkp.html

私も今回、こちらを見学させていただけることに。応対してくださったのは、仙台市建設局下水道事業部管路建設課の田村典大さんです。見学施設の入口はSL広場の脇にあり、ブロック塀の外観の壁には、土木遺産認定の輝かしいプレートが取り付けられていました。高鳴る胸を押さえながら、田村さんに案内されてらせん階段を下り、地下8メートルの地点へ。すると、煉瓦下水道の入口が見えてきました。

田村さん「ここからが煉瓦下水道です。では、参りましょう!」

【いざ、潜入!!】

いよいよ、煉瓦下水道へと足を踏み入れます。高さは1.5メートルほどしかなく、少し腰をかがめながら前進。思っていたほど、不快なにおいはありません。すると間もなく、目の前に開けた空間が現れました 。

【少し腰をかがめて、下水道の中を進んでいくと…】

田村さん「ここは“雨水吐き室”と言います。大雨が降ると、定禅寺通の地下を通ってきた下水が堰を越えて、広瀬川へと流れていきます」

最も早い時期に下水道が整備された仙台市の中心部では、汚水と雨水を同一の下水管で排除する「合流式下水道」という方式が採られています。宮城野区の南蒲生浄化センターができるまで、下水はそのまま広瀬川に垂れ流しとなっていましたが、現在は南蒲生浄化センターまで自然勾配を利用して下水道管を流れ、適切な処理をされてから海へと放流されています。晴れていた取材日当日は下水が堰を越えることもなく、下水道内を静かに流れていました。

【雨水吐き室。この日は堰を超えることなくゆるやかな流れでした。】

田村さん「大雨が降ると広瀬川へと下水が流れていくので、立ち入るのは危険な状況になります。その場合、見学会は中止になってしまいますよ」

とのことですので、見学を希望する方はご注意ください。