第4回 地球温暖化と下水道

○ 大雨による浸水被害を防ぐにも重要な下水道

下水道には「汚水対策」と「雨水対策」という大きく二つの役割があります。下水道の普及とともに広瀬川の水質は良くなってきました。

役 割 内  容
汚水対策 風呂や、トイレ、洗濯、炊事など、私たちは毎日たくさんの水を使っていますが、
それだけたくさんの水を汚していることにもなります。
下水道は、私たちが汚した水をきれいにして地球に返しています。
雨水対策 都市化が進むことで、降った雨はすぐに流れ去り、水たまりやどぶ川も見られなくなりました。しかし、最近は都市化が浸水被害の一因となっています。
下水道は、私たちの命や財産を浸水被害から守っています。

【下水道が果たす2つの役割(仙台市下水道ポータルページより)】

一方で大雨による浸水被害は後を絶ちません。最近でも、昨年9月11日の「関東・東北豪雨」や今年9月8日の台風13号から変わった低気圧による大雨などによって、仙台市内では浸水被害が相次ぎました。仙台市は昭和61年8月5日の大雨(8.5豪雨)を受け、浸水被害の大きかった地域を中心に、おおむね10年に1回の大雨に耐えられるように下水道やポンプ場などの整備を進めてきました。しかし、急激な都市化が進んで地表がアスファルトやコンクリートで覆われたため、雨水が大量に下水道管に流れ込むようになり、排水能力を超えてあふれる「都市型浸水」が多発するように。加えて、仙台の日降水量50ミリ以上の年間日数は、この100年で2.7日(統計期間:1927~2010年)の割合で増えるなど、大雨は増加傾向にあります。

【8.5豪雨被害図(仙台市下水道ポータルページより)】

【日降水量50ミリ以上を記録した日数の推移(仙台市)

※気象庁ホームページより】地球温暖化が進行すると、それに伴って大気中の水蒸気量も増えるため、大雨は今後さらに増える可能性があります。そうした意味でも、重要性がますます高まっていきそうな下水道。気候変動という観点からも、みなさんに興味・関心を持っていただければと思います。