第3回 青下ダム
水道記念館に続いて、青下ダムを訪れました。その途中に立ち寄ったのが「青下ダム旧管理事務所」。昭和8年、当時のダム管理事務所として建てられ、曲面状に突出した階段室や丸窓などが特徴的な、時代を感じさせるレトロな建築物です。
【青下ダム旧管理事務所】
旧管理事務所から坂道を下ると、広場に「青下ダム記念碑」が見えてきました。地元産の秋保石を用い、ヤギの頭をモチーフにした噴水口が特徴の記念碑。背面には工事に携わった人々の名前が刻まれ、青下ダムの歴史の深さを物語っています。
【青下ダム記念碑】
【青下ダム記念碑背面】
坂道をさらに下ると、勢いのいい水音が大きさを増してきました。「青下第1ダム」に到着です。青下川に3つあるダムのうち最も下流に位置する水道専用ダムで、昭和9年に完成。長さは43.4メートル、高さは18メートルあり、コンクリートに玉石をはめ込んだ造りです。完成から80年が経過した今も現役で活躍し、ダムの青下橋からは流れ落ちる水の迫力を体感できます。
【青下第1ダム】
この青下ダムに貯えられた水は「青下隧道」(総延長696メートル)を通って、中原浄水場へと向かいます。普段、一般の方は見ることのできないこの青下隧道を、今回は特別に見学させていただきました。
【青下隧道】
【碧流混々】
入口の上を見ると、「碧流混々」と書かれた扁額がありました。その文字には"青々とした水の流れが尽きることなく湧いているように"という願いが込められているそうです。中に入るとヒヤッとした空気が辺りを包んでいて、1時間あたり約400m³流れるという水の音がゴーゴーと響き渡っていました。ここから中原浄水場へと流れた水はきれいにされて荒巻配水所へと運ばれ、市内中心部の一部の水道水をまかなっているということです。