冬篇 第1回 絶好の蜜蝋キャンドルづくり日和
早いもので今回が最終回となりました。一年間追ってきた締めくくりは、蜜蝋(みつろう)を使ったキャンドル作りです。
蜜蝋とはミツバチが巣を作る時に分泌するロウのことで、巣の形を整える役割を果たします。
この蜜蝋、中世ヨーロッパでは教会で使われるロウソクの原材料として重宝された他、現在でも口紅やリップクリーム、ハンドクリームといった化粧品に座薬や軟こうなどの医療品、そしてクレヨンなどなど、身近な様々なところで使われています。
1月20日。一年で最も寒さが厳しいころとされる「大寒」のこの日、大竹さん宅を訪れてまず見せてもらったのが、大きな円形をした蜜蝋の塊でした。黄色が鮮やかで、まるでカボチャのような色合いです。
大竹くん(以下大竹)
マサくん、ちょっと持ってみてください。
マサさん(以下マサ)
どれどれ…。(両手で持ってみる)ん~、ズッシリ重い!
色合いからパンプキンケーキのようにも見える蜜蝋の塊は、その見た目に反して、持った両手に重みが感じられるほどでした。
この蜜蝋もハチミツと同じように、ミツバチが集めてきた花粉や蜜によって色が変わるそうです。大竹この形になるまで、本気でやると丸二日はかかります。結構、大変なんですよ
ハチミツを採り終えて残ったハチの巣を、お湯で煮て溶かし、ネットを使って不純物を丁寧に取り除きます。この作業を繰り返すことで、綺麗で光沢のある蜜蝋が出来上がるそうです。
大竹
この冬は200本近くキャンドルを作りました。レストランなどでもこの蜜蝋キャンドルを使ってもらっていて、「クリスマスの時期などは店内のムードがより高まる」と好評です。マサくんもどうですか?ハチミツのように甘~い夜を過ごせますよ(笑)
マサ
(苦笑い)ぜひ作ってみたいのですが、外で作業するには今日は寒すぎませんか?
大竹
いやいや、寒いとロウが早く固まるのでキャンドル作りには絶好の天気です。逆に暖かいと、蜜蝋の匂いにつられてミツバチがやってきたりもしますから。
この日の仙台の最高気温は、平年を2℃前後も下回る3.0℃。冷たい風が吹いて小雪も舞い、長い時間、外にいられない程厳しい冷え込みの“絶好の天気”の中、いよいよキャンドル作りにチャレンジです。