第2回 広瀬川の砂はこんな色

 『いろいろな砂をとかしてみたいんです』
 そう、にこやかな表情で語る村山さん。2006年には広瀬川の砂をガラスにしました。

『広瀬川の砂で作ったガラスは、渋い緑でレトロな色なんですよ』

 実際に作品を見てみると、確かに深みのある緑色をしていました。まるで、定禅寺通のケヤキの新緑を思わせるような色合いです。

 『では、佐藤さんもグラスを作ってみますか?』

作業場へ案内されると、テレビで見たことのある機材がたくさんありました。

しかし、素人の私には何が何だか全く分かりません。不安に思っていると、村山さんがお手本を見せてくれることになりました。

『この窯の中は1300℃もあるんですよ。ガラスが飴みたいになっているでしょ』

ふたが開けられて中をのぞくと、オレンジ色に染まった窯の中にはドロドロに溶けた、まるで溶岩のようなガラスが…。熱を帯びた空気が顔を直撃します。

 『夏はもう暑くて暑くて…。汗がダラダラと流れて大変です。今から5月くらいまでの時期が作るにはいいですね』

 寒さが厳しい今の時期、窯から発せられる熱は暖房そのもの。遠赤外線効果もあるのか、窯の近くにいると体の芯まで温まりました。