第4回 広瀬川は街のシンボル

●こうちゃん

例えば、この「こうちゃんのウチ飲みレシピ」は外食できない状況だったら、じゃあうちで美味しいものを作ってビールと一緒にを楽しみましょうよ、というコンセプトです。

●聞き手

いかにもビールが飲みたくなるようなレシピばかりですね。

●こうちゃん

そういう企画があってもいいんじゃない、ということで、この本を作らせていただきました。もともとのきっかけは、たまたま出版社の編集の方と飲みながらみんなで話しているうちに、何か「ビールの本を作りましょう」って熱く語り始めてしまったことらしいですが。

●聞き手

飲むとお話が弾む性格だと伺っています(笑)。

●こうちゃん

まあ、うっとおしくなるというか(笑)。でもそんなに変わんないですけどね。あんまり顔にも出ないし、態度にも出ないほうなんですけど。

●聞き手

もともとはビールに合わせたレシピなのでしょうが、ご飯にも合いそうな内容ですよね。

●こうちゃん

ええ。ビールもそうですが、ごはんも大好きなので、ビールを飲みながらでも、ごはんも食べたい、ということで作った本です。しかし、こうして自分の好きな食べものを作って、それが今仕事になっているのって、改めて思うと、本当に幸せだなあ。自分で自分がうらやましいなあ(笑)。

●聞き手

まさに「幸せな料理研究家」ですね(笑)。おそらく今多くの人が、そうして自分の好きなことを発信していくことで、夢を叶えられたらいいなと望んで、これほどまでにブログが普及しているのだと思います。その一方で、ブログの数があまりにたくさんあるがゆえに、その中からいかに人に見てもらえるか、そのためにいかに発信していくのかが重要になってきていると思います。こうしてブログをきっかけとして自分の夢を実現されたこうちゃんからみて、多くの人に見てもらい、情報を伝えるために、まずは自分のサイトへのアクセス数を増やすためには、どうしたらよいと思われますか。

●こうちゃん

難しいですね。というのは、あるサイトがすごくアクセス数があって人気があったとしても、それはサイト自体の人気というよりも、そのサイトへのニーズがたくさんあるからという場合が多いからです。

●聞き手

人気があるからというよりも、たくさんの人がそれを必要としているからアクセスが多いということですか。

●こうちゃん

例えば、料理には、和洋中以外にも、ロハスな料理だとか、マクロビの料理だとか、あるいは自分のような簡単な料理などいろいろなカテゴリーのものがあるわけです。その中での需要が多いものは何なのか。つまり、マクロビとか、すごく凝った料理への需要が現在どれくらいあるかということが前提となります。

●聞き手

そうですね。全体の割合から言うと限られています。

●こうちゃん

ですから、そうしたカテゴリーの中でアクセスを増やすための工夫はあるかもしれませんが、そもそも絶対的なアクセス数を増やす方法については、一概には言えないと思います。ただ、自分が伝えたいものを信じて発信していくべきだとは思いますが。

●聞き手

ちなみにこの「広瀬川ホームページ」ですと、VISIT(WEBサイトを訪れたユーザーの実数)の一日平均値は200件強ですが、今後これを増やしていくためには、どうしたらよいでしょうか。

●こうちゃん

失礼な話かもしれませんが、そもそも広瀬川のホームページが、1日2万件に達するというのは、厳しい話じゃないですか。つまり、広瀬川の情報を毎日アップして、それを毎日2万人が見るというような、需要自体がない。

●聞き手

仙台市民の50人に一人が毎日見るということになります。

●こうちゃん

いつでも川は自然に流れていますが、それをホームページで毎日チェックしなければいけないというものではなくて、普段の生活の中で自然に慣れ親しんでいくというのが理想ではないでしょうか。

<参考>評定河原大露頭から仙台市街を望む

●聞き手

そうですね。

●こうちゃん

誰もが毎日必要としているものなのか、ということですよね。でも料理は、毎日、誰かしらしなければいけない。

●聞き手

ええ。

●こうちゃん

そこで求められているニーズの絶対的な量が多いということです。そういう意味では、「食」というのはいつの時代も廃れず、安定している。

●聞き手

そうですね。流行り廃りはあったとしても…

●こうちゃん

それがなくなることはありえない。

●聞き手

広瀬川もなくなることはまずありえませんが、ホームページでの情報を求めるニーズの量からすれば、そもそも厳しいジャンルですね。

●こうちゃん

逆に、料理レシピにはニーズがたくさんあるので、数あるレシピブログからいかに選んでもらえるかが課題です。そのためには、まず、どうあるべきかが重要だと思います。例えば、いくら簡単でも、「こうちゃんのゴージャスレシピ」とやったら、多少景気は上向きになってきたとはいえこの不況の中、絶対ウケないと思います。和牛のサーロインステーキを角切りにして、アンデスの塩を使って、挽きたてのフレッシュなコショウを振って…そんなことを書かれても、いくら簡単だからといってもね。

●聞き手

それはそれで一度見てみたい気もしますが。

●こうちゃん

今どういうものがウケているのか、ということを把握した上できちんとテーマを決めて、それを一生懸命発信していくことが大切だと思います。
例えば川のカテゴリで広瀬川といったら、仙台のシンボルになっているくらいだから、絶対数は多くないとしても、その需要はあるわけですよね。そうした興味を持っている人をいかに集めるか。さあ、どうですか見て見て、というような宣伝活動ではなくて、そこに人が自然に集まってくるような発信ができればいいですよね。

●聞き手

はい。もっと身近な感じで見ていただけるようなものにしていきたいと思っています。

●聞き手

ところで、広瀬川の話が出ましたが、実際に広瀬川との関わりについて聞かせていただけますか。

●こうちゃん

芋煮会を何度かしたことがあります。あと、うちにいる2匹の犬の散歩コースとして広瀬川に行くことがあるので、その風景には癒やされます。だから仙台に住んでいて、広瀬川がシンボルだという感覚はありますね。

<参考>広瀬川のシンボル大橋付近