第4回 街と自然とが共存する仙台の魅力
●聞き手
先生は各地を旅されて、いろいろな街を
ご覧になっていると思いますが、
今の仙台の街の魅力はどのように感じられますか。
●荒木さん
こういう、街と自然が共存している感じはいいですよね。
建物と樹木とか。
実はそういう都市ってあんまりないと思いますよ。
関東だと箱根などにはそのような雰囲気が
あるかもしれないですが、別荘地的な要素もあって
また違います。
日常生活の中に溶け込んだ自然という意味では、
青葉通や定禅寺通のケヤキ並木の風景などは、
まさに仙台を象徴する魅力的なところだと思います。

●聞き手
仙台駅に降り立って青葉通りのケヤキ並木を見ると、
仙台に帰ってきたなという感じがしたり。
●荒木さん
そうそう。それと、仙台には、
オーディオや自転車、古本とか、趣味というより
もっとマニアックにこだわっている人が実は結構いて、
すごいお店がありますよ。
オーディオだと「のだや」さんとか、
自転車だと「シクロヤマグチ」さんとか。
普通の街中に、すごくこだわった商品を扱っている
お店があるんですよ。
一つの街に、そうしたいろいろなこだわりのお店が
ある街というのは、東京でもあまり見かけないかもしれない。
●聞き手
自転車の話がでましたが、
広瀬川は先生が遊んでいらした若林区からは、
川沿いを自転車で河口の閖上まで行けるようになっています。
以前その取材で「シクロヤマグチ」の山口さんに
お世話になりました。
●荒木さん
僕が仙台にいた時からずっとあるっていうのは、
すごいですね。
あと貞山運河沿いにもサイクリングロードがありますよね?

●聞き手
ええ。2010年には、海岸公園にセンターハウスもできて、
そこで自転車の貸し出しも行っています。
周辺も整備され、多くの人たちが
楽しめるようになっています。
●荒木さん
生活圏内にこうした海水浴場やスキー場がある街って、
すごいですよ、本当に。
東京だと、スキーに行くにしても一泊が前提だったりして、
もうそれだけで面倒で…
映画に行くにも、場所によっては
1~2時間かかったりしますから。
●聞き手
仙台市内中心部から泉が岳のスキー場、
深沼の海水浴場、広瀬川上流の芋煮会や温泉、
だいたいどこへも30分圏内で行けますよね。

●荒木さん
そうなんですよ。
あと、最近は街を歩いている人も
ずいぶんファッショナブルになったような気が…。

●聞き手
先生が仙台にいらした頃は、
あまりファッショナブルなイメージが…?
●荒木さん
いやなんか、昔は女の子があんまかわいくないとか…
言われてましたよね(笑)。
今では全然そんなことないですが。
●聞き手
先生の学生時代には、私服の学校が流行った時だったと
思いますが、当時はガクランを着られていましたか。
●荒木さん
僕はガクラン派でしたね。高校では私服OKでしたが、
服を選ぶのがそのうち面倒になって
みんなガクランになってくる(笑)。
●聞き手
「ジョジョ」の登場人物は、みなさんガクランが
ユニフォームみたいになっていて、先生のガクランに対する
思い入れが相当あるのではと思っていました。

●荒木さん
ガクラン、やっぱり格好いいですよ。
実は、マンガのファッションとして一番格好いいのは
ガクランで、「クローズ」とかがヒットしたのは
絶対ガクランだったからですよ。
それでガクランにビニール傘をさす、っていうのがまた
格好いいんですよね。
もう、男の美学としてのマンガの黄金方程式というか。
多分、高倉健さんの影響からだと思いますけど。
