第4回 曲づくりについて

●聞き手

クラシックギターに触れたことが音楽のきっかけと伺っていますが、どんな経緯だったのでしょうか?

●Rakeさん

親父がフォーク世代で、誰もがギターを持っていた世代でした。家にあった古いギターで音を鳴らして子供なりに楽しんでいるうちに、自然とギターを弾くようになりました。両親も音楽が好きで、合唱をしたりピアノを弾いたりしていましたね。
小学5年生の時に両親に、ちゃんと弾けるようになりたいと言ったら、クラシックは音楽の基礎だからとクラシックギター教室に通うことになりました。小学生の僕は、ポップスとか派手なエレキ・ギターが良いなと思っていたんですが(笑)。

●聞き手

中学校では野球部、高校ではロックバンドのギタリストをされていたそうですが。

●Rakeさん

若かったので、やはりロックバンドがやりたかったんですね。教室ではクラシックギターを弾いて、家に帰ったら友達から借りたエレキ・ギターを弾いてという感じでした。
高校に入って、野球を続けるかバンドをやるかで悩んだのですが、バンドを選択して、高校ではずっとロックバンドのギタリストでした。

●聞き手

当時、影響を受けたアーティストはいますか?

Rakeさん

日本だとギタリストのcharさんが好きでした。洋楽だと、僕らの世代ではパンク・ロックがはやっていたのですが、僕はハード・ロックが好きでした。Mr.Bigなど、テクニカル・ロックと言われる楽曲は、ギターが派手なんですよ。
早弾きなどテクニカルにギターを弾くバンドに憧れて練習していました。

●聞き手

クラシックをベースに、邦楽・洋楽にとらわれず、ですね。

●Rakeさん

当時は、クラシックをベースにというつもりはありませんでしたが、今思うとそうかもしれませんね。

●聞き手

アマチュア時代からかなりの数の曲を書かれていたと聞いています。

●Rakeさん

どちらかというと、子供の頃から勝手に自分で音を鳴らして”このフレーズ良いかも”という流れでやってきたので、曲をつくることが”好き”、と言うより僕にとって”普通のこと”ですね。

●聞き手

曲をつくるステップは、どういった流れなのでしょうか。

●Rakeさん

ひらめいて音を鳴らす時もあれば、音を実際に出して繋げていく時もあります。今は歌もうたうので、詩からつくる場合もあれば、鼻歌のようにメロディーからつくる場合もあります。

●聞き手

楽曲を作れない私から見ると、どうしてこんなに沢山の曲がつくれるのか、どういう手順なのかが、全く想像もつきません。

●Rakeさん

シンガーソングライターというと、内々に秘めた思いを吐き出して吐き出して、といったイメージが強いかもしれません。僕もそういった場合もありますが、元々はギタリストから入っているので、音そのものに対してアプローチして音を楽しみながらつくることが多いです。

●聞き手

Rakeさんの楽曲は、仙台っぽい音と形容されることがありますが、意識されることはありますか?

●Rakeさん

確かに言われることがありますね。自分では特に意識はしていませんけど。文化であったり、匂いや空気感はそれぞれどの街にもあって、その土地で生まれ育った人間の形成に少なからず影響している筈なんです。
仙台は派手な街ではないし、沢山エンターテイメントがある街でもないですけど、程よく都会で、程よく自然があるというバランスが、しぜんと自分の中に入っていて、それがにじみ出ているのだと思います。