第4回 僕の野球人としてのレベルを見てみたかった

●聞き手

高校ご卒業後は、社会人野球でご活躍されました。

●草野さん

NTT九州のクラブチーム化の時に営業を2年間経験して、廃部に伴ってホンダ熊本に移籍しました。

●聞き手

社会人野球ですと、仕事との両立が大変かと思いますがいかがでしたか?

●草野さん

午前中は職員の方と同じ仕事して、午後から練習です。野球に専念しやすい環境でした。

●聞き手

3つのチームを渡り歩かれていますが、一貫してプロ入りを目標にされていたのでしょうか?

●草野さん

うーん。正直言いますと、普通は25歳前後がプロ入りの限度ですので、そこを過ぎると、無理なのかなぁという気持ちもでてきて、大きな夢が小さくなっていくことを実感しました。

●聞き手

2005年のドラフト会議でついに指名を受けましたが、当時29歳ということで、嬉しさとともに不安もあったと思います。

●草野さん

まあ、悩んだのは、大人になったということなんでしょうね。素晴らしい会社でしたので定年まで安泰に過ごすか、という葛藤はありましたが、色々なものを犠牲にして続けた野球人生に悔いを残したくないという想いと、僕の野球人としてのレベルも見てみたかったので、プロ入りして正解だったと思います。

●聞き手

夢を諦めない姿勢が、ファンに受け入れられているのだと思います。

●草野さん

ただ、僕の予想では今後は29歳でドラフト指名というのは無いと思うんですよ。僕の時は球団の新規参入もありましたら、タイミングも良かったんだと思います。

●聞き手

こうしてようやくプロ入りされた訳ですが、拠点だった九州から仙台に来られて印象はいかがでしたか?

●草野さん

山があり川があり、気候も街並みも、熊本に似ていて、住みやすいだろうなと思いました。

●聞き手

仙台市はコンパクトな都市部を交通機関が繋いでいますので、緑も豊かで住みやすいかと思います。気候も似ていますか?。

●草野さん

向こうも雪が積もります。むしろ家の中は仙台のほうが暖かいのではないかと思います。九州では冷房はしっかりしていますが、暖房の設備が弱いので。家に居るより外の方が暖かい場合もあります(笑)。

●聞き手

現役時代、印象に残っている事はどんなことでしょうか。

●草野さん

色んな場面で打ったヒットやホームラン、嬉しかった事はたくさんあります。
勿論、苦しかったのは結果を出せなかった時です。「何で打てないんだろう」とか、「こんな筈じゃない」とか色々悩みました。1年目、2年目も開幕から出してもらいましたが結果を出せずにファームにも行きましたし。2年目の途中までは苦しかったですが、そこから成長したんだと思います。「開き直るって強いな」と思いました。
それから、あんまり一喜一憂しなくなりました。

●聞き手

野村監督から「勝負強い」と評されましたが、プレッシャーになりませんでしたか?

●草野さん

僕自身が「勝負強い」とは思っていませんでしたからね(笑)。
緊張したのは1年目の最初だけです。ただ、緊張とは別に、大事な場面での集中や心境は違いますけどね。

●聞き手

不調の時などの気分の切り替えはどうしていましたか?

●草野さん

そうですねー。「広瀬川の川辺で芋煮をしていました」と言いたいところですけど(笑)。ホントのところを言うと、川とは関係ありませんが温泉にはよく行きます。

●聞き手

広瀬川の上流域には作並温泉もありますので、是非ともお出かけください。

●草野さん

ああ、なるほど。良いですね。コメントは「悩んだ時は、よく広瀬川のほとりを歩いたりしてリフレッシュしていました。」そんな感じにしておいてください(笑)。

●聞き手

お気遣いありがとうございます(笑)。