第2回 「生物処理」と「オゾン消毒」

○「生物処理」と「オゾン消毒」

各家庭から流れ込んできた下水は、1日半ほどかけて段階を踏んで処理されます。様々な工程がありますが、広瀬川浄化センターの大きな特徴が「生物処理」と「オゾン消毒」。広瀬川の水質を守るため、最高水準の高度な処理を行っています。

【広瀬川浄化センターの下水処理のしくみ。高度処理プロセスを行っているのが特徴です。】

※「生物処理」とは?
数千種類もの微生物がいる「生物処理槽」という水槽で、嫌気槽と好気槽を2セット分通過させ、微生物に下水の汚れを食べてもらいます。汚水の汚れ成分は、好気槽の微生物(活性汚泥)によって分解。さらに、嫌気槽の微生物が好気槽で分解した汚れの成分のうち、窒素分を空気中に放出します。汚れを食べたことで重くなった微生物は、「最終沈でん池」という水槽で沈むことにより、分離させられるという仕組みです。

好気槽のみでも処理は可能ですが、広瀬川浄化センターでは下水をよりきれいに処理するため、こうした方法を採用しました。

【生物処理槽。好気性、嫌気性それぞれの微生物が汚れを分解します。】

【最終沈でん池。分離された微生物を含む汚泥は、脱水した後焼却し、埋立処分します。】

※ 「オゾン消毒」とは?
「消毒槽」では、処理水に含まれる大腸菌などの細菌をオゾンで消毒します。オゾン層でおなじみの気体・オゾンを使っての消毒は、殺菌だけでなく脱臭・脱色効果もあるため、河川の環境を壊しません。残存性がなく、河川の生物に与える影響が少ないというメリットもあります。一般的な塩素消毒より複雑な設備が必要なために費用は高くなりますが、環境に配慮してオゾン消毒を採用しているということでした。

【消毒槽。処理水に含まれる細菌類をオゾンを用いて消毒します。】

消毒方法殺菌脱臭脱色残存性設備
オゾン複雑
塩素××簡易

【オゾン消毒は設備が複雑化するものの、環境負荷の低減に効果があります。】