第3回 「下水はどれくらいにきれいになる?」

○下水はどれくらいにきれいになる?

水がどれくらい汚れているかを示す指標に「BOD(Biochemical Oxygen Demand、生物化学的酸素要求量)」があります。微生物が水中の汚れを分解する時に消費される酸素の量で、汚れているほど数値は大きくなります。

昭和49年に制定された「広瀬川の清流を守る条例」では、アユの生息できる水質をBOD 3mg/l以下※としていますが、広瀬川浄化センターで処理をされた下水のBODは1.2mg/l。流入時は250mg/lもあるため、約99.5%の汚れを除去していることになります(平成26年度実績)。下水道法における標準的な下水処理場の放流水質は15mg/lとされているので、より高度な処理をしていることが分かります。

※「広瀬川の清流を守る条例」では、水質の管理基準にTOC(Tortal Organic Carbon、全有機炭素量)を指標として用いていますが、BODで読み替えて運用しております。

【設備について説明する富田技師】

【広瀬川の清流を守る条例は、広瀬川の環境保全のため、水質についても基準を設けています。】

浄化センターで処理された下水は、近くを流れる広瀬川の支流・綱木川へと放流されます。放流された地点の水と、それより上流側の水とで比較してみると、放流された地点の水は透き通っていたのに対し、上流側の水はやや茶色く濁っている状態。数値だけでなく、目で見ても処理の効果をはっきりと確認することができました。

【処理水は広瀬川の支流・綱木川へ放流されます。】

【左:放流地点の水、右:放流地点より上流の水。放流水は非常に透明度が高いことがわかります。】