第2回 東日本大震災の影響

これで一安心かと思いきや、そうとも言い切れないようです。

時期をずらして産卵すれば、それだけ様々なリスクを軽減させられます。しかし、今年は産卵期間が短くなってしまったため、孵化する前に大雨による増水などで多くの卵が流されてしまう危険があるといいます。さらに、伊藤さんは東日本大震災による影響も心配しています。

「稚魚を放流した後にあの震災。津波にやられてしまって、多くの稚魚は海に出ることができませんでした。サケは3~4年後に川に戻ってくるので、来年・再来年以降にその影響が出てくるかもしれませんね」

初めてのことなので、伊藤さんもどんな影響が出るのかは分からないといいます。多くのサケが広瀬川に戻ってくることを、ただただ願うばかりです。