春編 第2回 ニホンミツバチの生態
ニホンミツバチは日本列島に生息するトウヨウミツバチの一亜種。
九州から本州の下北半島まで分布が確認されています。
体長は10ミリ前後(女王蜂は20ミリ近くと一回り大きい)。
樹洞や樹の幹・枝、軒下など巣を構え、1匹の女王蜂と多数の働き蜂で暮らしています。
マサくん(以下マサ)
一つの巣箱にはどれくらいのミツバチがいるんですか?大竹さん(以下大竹)うちでは、数千匹から1万匹以上のミツバチが生活しています。
マサ
初めにニホンミツバチの特徴を教えてください。大竹養蜂に向くセイヨウミツバチに比べて、穏やかで神経質な性格だといわれています。もちろん、ミツバチだから針をもっているので、刺すこともあります。でも巣を刺激したりしない限り、ふつうに接していて襲ってくるようなことはなく、攻撃性は高くありません。あ、巣箱の前に立たないでくださいね。
マサ
おっとすみません。
大竹
ミツバチは巣箱と蜜源となる花とを直線で行き来するといわれています。
だから巣箱には直線で帰ってくるので、巣箱の前に立つと怒って刺されることがあるんですよ。
マサ
なるほど。
確かに巣箱からまっすぐ出て行ったり帰ってきたりしていますね。
大竹
今日は晴れて天気がいいので、ミツバチたちも蜜や花粉の運搬で忙しいので、巣箱の前に立っても多少のことでは刺したりはしませんが、これがセイヨウミツバチだと刺されてしまうでしょうね。
マサ
帰ってくるミツバチの足に何か付いていますね。
大竹
足に花粉を付けて運んでくるんです。そして、蜜はお腹にたっぷり溜めて帰ってくるので、巣箱に帰ってくるミツバチは、よく見ると動きが遅いでしょう。
マサ
確かに。巣箱を出て行くミツバチに比べてヨタヨタしているように見えます。
大竹
たっぷり蜜を溜め込んだミツバチなどは、着地に失敗したりすることもあるんですよ。
大竹
ミツバチは社会性のある生き物といわれています。
働き蜂には成長段階に応じた役割があり、若い蜂は巣の中で幼虫の世話や巣のメンテナンスをしたりしていて、外に蜜や花粉を集めにいくのは、大人のミツバチの役目です。
この時期だと、蜜源までの距離にもよりますが、一日一回から二回くらいの頻度で採蜜に行くようです。今はお昼過ぎくらいなので、蜜源が遠いところにある花だとすると朝早く行ったのが戻ってきているのかもしれません。
マサ
どのあたりまで行っているんですか。
大竹
行動範囲は半径2kmくらいだといわれています。
マサ
ここからだと、広瀬川はすぐ近くなので、川を渡って対岸まで蜜を取りに行っているかもしれないですね。
今の時期だとどんな草花の蜜を集めているのでしょうか。
大竹
この時期だと、あそこに見えるウワミズザクラなどが人気があるようです。それと、ニホンミツバチは、もともと自然に自生している植物の花が好きですね。
ガーデニングなどでよく使われる輸入されてきた花は、きれいで目立つので、一見いいのかと思いますが、実はその辺に生えている雑草のように見える花とかが好きなんですよ。
マサ
よく眺めてみれば、普通に街の中にある木や河原に咲いている花などへミツバチが蜜を求めて行き来しているのが観察できるかもしれないですね。