■川遊びの装備

川遊びで最も重要なものはライフジャケットです。当会の水辺の活動では必ず着用するようにしています。膝下程度の浅瀬を活動場所としている場合でも、そこが川である限り流れの速い場所や深い場所は必ずと言ってよいほど隣接しています。さらに転倒や急な体調不良なども考慮すれば、万が一に備えてライフジャケットは着用すべきです。こう書くと堅苦しい感じがしますが、何よりもライフジャケットを着ると川遊びの幅が一気に広がります(遊び方は後述します)。

ライフジャケットもホームセンター等でも目にすることが増えましたが、選ぶ際にはいくつか注意が必要です。一つは浮力。体重の1割の浮力が目安とされていますが、安価なものの中には浮力が十分でないものがあります。浮力が少ないと水面が顔の近くになるため、安心感が得られにくく、思いっきり遊ぶことができなくなることもあります。もう一つは脱げ落ち防止。子ども用であれば、万が一胴回りのベルトが緩んだとしても脱げ落ちるのを防ぐための股ひもがあるタイプ。大人用では、ライフジャケットの最下部のへそのラインをしっかり固定できるものを選びましょう。

写真:ライフジャケット

次に気を付けるべきは履物です。尖った石があったりゴミがあったり、滑りやすく、ぐらつく石が無数にある不安定な川底を歩くのですから、裸足で入るなどは全くの論外です。また、ビーチサンダルも砂浜を歩くには適していますが、水中では脱げやすく、強い水圧がかかると鼻緒の部分が抜けてしまうこともあります。さらに、脱げると浮力があるのですぐに流されてしまいます。そうすると人はとっさに追いかけてしまうもので、その先の速い流れに足をすくわれたり、深みでおぼれたりする事故例もあります。サンダルも肌の露出が多いものは好ましくないので、履きなれた運動靴がお勧めです。靴下を履いたままだと、小砂利や砂も気になりにくいので良いですよ。

着るものは水切れの良い化繊のものを選びましょう。露出が多いと切り傷、擦り傷が増えます。逆に長袖・長ズボンだと泳いだりする際に、水を吸って動きにくくなります。何をメインにするかで着るものを選ぶとよいでしょう。

また、水難事故のうちおよそ3割が助けに行った人が溺れてしまう「二次水難」だと言われています。この二次水難のリスクを減らしつつ、おぼれた人を助けることができるのがレスキュー用のスローロープです。バックの中に10~20mロープが入っていて、ロープの端を持ってバック本体を投げるとスルスルーっとロープを出しながら飛んでいきます。もしものときに飛び込んで助けに行くのはではなく、身近にある長いものをさし伸ばしたり、浮力のあるものを投げてつかませたりするなど、助ける側の安全確保についても考え、備えておくことも重要です。

写真:スローロープ
大人のための川遊び講座【動画】

大人のための川遊び講座【動画】

前半の準備編はここまでです。そこまでするの?と感じた方もいると思いますが、外出先でのランチのお店をあらかじめ調べておくように、川遊びも下調べをしておくことで、格段に満足度が高くなります。