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第2章 広瀬川創生推進のための基本目標別施策

2.3 iii 治水・利水の安定

(1) 現状と課題

  1. 濁水の発生と流量の低下
     広瀬川の水質は、「広瀬川の清流を守る条例」の制定等により以前に比べると大きく改善されましたが、降雨後の濁水の発生が顕著となっています。一方、広瀬川の流量については年間を通して平均的には安定していますが、灌漑時期には取水量が多くなるために川の流量が著しく低下することもあり、河川生態系に影響を及ぼす懸念があります。市内における用水なども含め、流域の水循環を健全にしていく必要があります。

  2. 治水・利水管理の合意形成
     これまでの治水・利水管理では、各主体間での合意形成がされておらず、施策の展開も難しくなっていました。例えば、自然の恵みである水の流れを大事にしたい市民やNPOと、安全・安心な生活の確保を求める行政や企業といったように、主体間での意見を集約することができませんでした。市民・NPO・行政・企業の各主体が積極的に参加をして、治水や利水に関する考え方の合意を形成することが必要となっています。

  3. 河川敷の占用問題
     上流域においては河川敷も狭く、人の目にも付き易いことから河川敷を占用するといったことはあまり見られませんが、中・下流域においては、河川敷において畑作を行うなど大規模な不法耕作が見られます。また、夜間に人気がない所においては、産業廃棄物や一般廃棄物などの不法投棄が行われ、河川敷を不法に占用しているのみならず、有害物質の流出などの危険な事態も懸念されます。

(2)施策の方向と事業の概要

  1. 施策の方向(7) 限りある水資源の有効な利活用
     流域における水循環を健全にするために、川の水量を維持するとともに市内における用水についても適切な通水を行い、限りある水資源の有効な利活用を推進します。具体的には、水路における通水や用水を活用した広瀬川への導水を実施します。また、中州・寄州の適正な管理を行います。公共下水道や川の堰についても改修・整備を推進します。

【事業の概要】(9)水路等の整備

主な取組 取組の説明 各主体の役割
(17)〈市〉六郷堀七郷堀環境用水導水 地域住民の声を受けて、六郷堀七郷堀の悪臭の抑制、景観の改善のための通年通水を行います。 市民 巡視・通報/モニター
NPO 清掃/環境イベント
行政 事業実施(市)
企業 清掃
(18)〈国〉広瀬川及び旧笊川環境用水導入事業 広瀬川の水量の問題を改善するために、名取川より既存の水路を活用した導水施設を整備し、環境用水を導入します。 市民 モニター
NPO あやめの里維持管理
行政 事業実施(国)
企業
(19)〈国〉緊急用河川敷道路整備 大地震等の大災害時において,被災者の救援活動,被災地の復旧活動及び物資の輸送等に活用できる緊急用河川敷道路を整備します。 市民 利用
NPO ボランティア活用
行政 事業実施(国)
企業 ボランティア活用
(20)〈国・県〉護岸の改修・修景 コンクリート護岸の老朽化に伴う改修・修景を順次対応します。 市民
NPO
行政 事業実施(国・県)
企業
(21)〈県〉中州・寄州の樹木管理 中州・寄州の樹木や土砂について、広瀬川管理計画に基づき適正管理を行います。 市民
NPO
行政 適正管理(県)
企業
(22)〈市〉仙台市公共下水道事業(宮城処理区) 都市化が進む宮城処理区の公衆衛生の向上及び広瀬川の水質保全を図るために、公共下水道を整備します。 市民
NPO
行政 事業実施(市)
企業
(23)〈市〉愛宕堰改修事業 老朽化の著しい固定堰から利水・治水・環境に配慮した新堰に改修します。 市民
NPO
行政 事業実施(市)
企業
(24)〈市〉合流式下水道雨天時越流水対策事業 合流式下水道について、雨天時の越流に対応するための緊急改善事業に着手します。 市民
NPO
行政 事業実施(市)
企業

 

  1. 施策の方向(8) 治水・利水に関する合意形成システムの構築
     治水・利水管理に関する合意を形成するために、市民・NPO・行政・企業の各主体が参画する合意形成システムを構築します。具体的には、水資源利用者からなる検討会や構造物のあり方に関する研究会、水循環や水環境管理に関する委員会や協議会を開催します。

【事業の概要】(10)市民・NPO・行政・企業協働による検討会の開催

主な取組 取組の説明 各主体の役割
(26)〈素〉適切取水、下水処理水の有効活用と水資源利用者検討会の開催 広瀬川の適切な水利用を進めるために、適切な取水・下水処理水の活用などの可能性を含めて幅広く検討を進める関係者の検討会を開催します。 市民 節水への協力
NPO 企画提案・運営/水資源利用の調査
行政 取水量の適正化/情報公開
企業 取水量の見直し/システム開発
(27)〈素〉堰・橋梁・護岸・堤防を考える研究会 広瀬川に関わる堰・橋梁・護岸・堤防などの構造物の今後のあり方について、幅広く検討を進めます。 市民 参画
NPO 企画提案・運営
行政 情報公開/参画
企業 参画
(28)〈国〉仙台地域水循環協議会 国、県、市の機関による「協議会」を組織し、流域的な視野で望ましい水循環系の構築を進めます。 市民
NPO 参画
行政 運営(国・県・市)
企業 参画
(29)〈県〉広瀬川環境管理協議会 市民の代表や各種NPO、行政を交えて、広瀬川の環境管理のあり方について、幅広い意見交換を行います。 市民 参画
NPO 参画
行政 運営(県)
企業

 

  1. 施策の方向(9) 河川は市民共有財産という認識の定着
     河川は自分たちだけのものではなく市民共有の財産であるという認識を定着させます。そのために、各主体は河川に対する認識を高めるとともに、一部で不法に河川敷を占用している当事者との調整を図り、河川敷の不法占用状態の解消を目指します。

【事業の概要】(11)河川敷の一部占用の解消

主な取組 取組の説明 各主体の役割
(30)〈素〉当事者との調整 河川敷の占用をしている人や団体との調整を行い、不法占用を解消します。 市民 参画/環境への配慮
NPO 参画/環境への配慮
行政 管理/環境への配慮/情報公開
企業 参画/環境への配慮

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