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動物の状況
平成3年(1991年)から3年間行われた魚類調査では、32科72種類の魚類が観察されており、全国の水系でも有数の多さと言える。特に名取川との合流地点から河口までの海水と淡水が混じりあう汽水域では多くの魚種が確認されている。アユやサクラマスなどの遡上する魚も棲息している。北方系の魚と南方系の魚の分布は、仙台市付近を境にしていると言われ、そのことも広瀬川の魚種を多様なものとさせていると考えられる。
昆虫類、両生類、爬虫類、鳥類においても、学術的に貴重な種や清流にしか生息しない種、生態系の食物連鎖の頂点に位置する大型の猛禽類、哺乳類が多く生息している。環境省が作成したレッドデータブックに掲載されている貴重な鳥類のうち、広瀬川流域及び仙台市内に生息するものを示す。
●広瀬川流域及び仙台市内に生息する貴重な鳥類
絶滅危惧
IA類 |
ごく近い将来野生での絶滅の危険性が極めて高いもの |
ウミスズメ |
絶滅危惧
IB類 |
IA類ほどではないが,近い将来野生での絶滅の危険性が高いもの |
イヌワシ、オジロワシ、クマタカ、オオセッカ、オオヨシゴイ、セイタカシギ |
絶滅危惧
II類 |
現在のままだと,近い将来「絶滅危惧I類」のランクへの移行が確実と考えられるもの |
オオタカ、オオワシ、チュウヒ、ハヤブサ、ヒシクイ、コクガン、アカアシシギ、ツバメチドリ、コアジサシ、トモエガモ、ホウロクシギ |
| 準絶滅危惧 |
現時点での絶滅危険度は小さいが,生息条件の変化によっては「絶滅危惧」のランクに移行する要素を有するもの |
ミサゴ、マガン、チュウサギ、ミゾゴイ、ハイタカ、ハチクマ、オオジシギ |
※■は広瀬川流域に主に生息すると考えられる種、その他は流域外の市内にも生息すると考えられる種
出典:自然環境基礎調査(仙台市/1995年)等より作成
なお、日本の固有種でありきれいな流水に棲むカジカガエルは、市街化に伴い一時は減少したものの、清流の復活とともに回復し、現在は上中流域でその美声が聞かれる。特別天然記念物のニホンカモシカについては、昭和59年(1984年)に南奥羽山系一帯に保護地域が設定されているが、生息調査によると、広瀬川右岸では東北自動車道の西側まで、左岸は、青葉区芋沢のみやぎ台団地付近までが生息区域であると考えられている。
下に、クマタカ、ニホンツキノワグマ、ニホンカモシカ、ホンドザル(ニホンザル)の生息地のデータを示す。こうした自然度の高さを必要とする生物種が、市街地の近くに生息することは、特筆すべきことである。




出典:仙台市環境局資料
今後の課題
広瀬川及びその流域の生態系を維持するためには、山地から丘陵にかけての自然度を高め、清流を保持していく必要がある。
特に魚類については、下流域でブラックバスなどの外来種により在来魚に深刻な影響が発生するおそれがあるため、対策を考えていかねばならない。また、広瀬川に存在する堰堤では、魚の遡上に悪影響を及ぼさないような魚道が確保されているが、さらに魚道の構造上の改善等が必要な場合もあると考えられる。
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