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広瀬川データ集

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広瀬川流域の水循環
|かつての市内の水循環|今後の課題

かつての市内の水循環(四ッ谷用水)

 現在の水循環のほかに、かつては市内を縦横無尽に走る四ツ谷用水による水循環が存在していた。江戸時代、利水の不便な仙台城下町の用水を確保するため、広瀬川に堰を設けそこから導水したのが始まりで、最盛期の総延長は約44kmと広瀬川の本流に匹敵する長さを有していた。

 市内に網の目のように張り巡らされた用水により、地下水は安定し、それが湧水となって再度、用水に流入するという水循環を持ち、土壌のろ過作用で用水の清浄度は高く、また蒸発散により夏の暑さも緩和していたと思われる。用水は、地下水涵養による飲料水の供給や消防用水、家庭用雑排水、産業用水、水車の稼動、冬季の雪捨て場など様々な役割を果たしていた。
 明治時代に始まる下水道整備に伴って暗渠化が進み、戦後にはほとんどの用水が閉鎖され、現在は、四ツ谷堰から梅田川までの本流が工業用水として、一部が雨水排水管としてわずかに残っているのみである。

藩政期の四ツ谷用水(市街地内)

地図:藩政期の四ツ谷用水(市街地内)

出典:もうつの廣瀬川-四ツ谷用水のすべて・増補版(佐藤昭典/1989年)

今後の課題

 広瀬川の流域の水循環を考えると、仙台市民の生活は、上水、下水、工業用水、農業用水等を通じて、見えないところでも広瀬川に大きく依存していることがわかる。この流域の健全な水循環を守ることは、ヒートアイランドの緩和に貢献するとともに、適正な広瀬川の流量確保や自然生態系の保全、潤いのある都市の形成にもつながる。
 地下浸透量や蒸発散量を維持、増大させるためには、山林や農耕地の適切な管理、都市内での地下浸透が可能な空間の確保、需要の実態に応じた柔軟な取水配分等を行う必要がある。また、失われた四ツ谷用水の復活に向けた検討も期待される。
 また、広瀬川の流れにのって運ばれる富栄養物質は、川内や河口域に生息する生物の重要な栄養源となる。広瀬川本来の自然生態系やその恵みを維持・継承するため、森から海に供給される自然の物質循環についても、健全な状態に維持していくことが必要である。


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