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広瀬川研究レポート


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vol27.広瀬川流域の楽しみ方

 思い立ったが吉日

 都市デザインワークスでは、月1回、お昼にオフィスを飛びだして仙台の豊富な緑の中で佇んで過ごす「SCPピクニック」を実施しています。平日・週末は問わず天気が良さそうな日を決めて、事前にホームページやTwitterで呼びかけると、それぞれお弁当や飲み物を持参して、三々五々お昼をより良い空間で過ごそうと集まってきます。ときには「明日、ピクニックします」と呼びかけることもあれば、何かの機会に立ち話ついでで「ピクニックしよう!」となったのを聞きつけて広く呼びかけることもあります。“そんな思いつきでいいの?”と思うかもしれませんが、とっさの時にピクニックができるということは、市民の集えるスペースや憩える豊かな環境が普段の生活のすぐ側にある証拠なのです。

定禅寺通グリーンベルトでピクニック
定禅寺通グリーンベルトでピクニック


 気軽にピクニックできる場所は、広瀬川・西公園・定禅寺通・茶室・神社など様々です。その場所その場所にはエピソードがあり、そこここにネタが転がっているのでピクニックで交わされる会話は多彩です。例えば広瀬川では、瀬・淵の名前や季節の風物詩が話題に挙がったり、ふと見上げてみると伊達政宗公の騎馬像があったり、急に空気の流れが変わったり霧が上流からおりてきたり、不思議と場面や話題が展開していきます。実際に肌感覚でその場所を体感すると、もっとこうだったらいいなぁという気持ちも生まれてきます。そんな想いが募っていって、市民が過ごしやすい水辺になるといいですね。

ピクニック開催履歴マップ
ピクニック開催履歴マップ

これまでのピクニックを振り返るミーティング
これまでのピクニックを振り返るミーティング


 5つの楽しみ方

 ピクニックは楽しみ方の一例ですが、もっとたくさんの楽しみがオープンスペースで見出せると考えています。広瀬川と地下鉄東西線が交わるSCPでの市民の楽しみ方を分類すると、大きく5つに分けられます。

  • 集う楽しみ
    日常的な活動はもちろん、季節のイベントや学会など、多様なニーズに対応できる施設やオープンスペースを備え、いつでも仲間と集い様々な活動を楽しめます。
  • 食の楽しみ
    広瀬川のせせらぎや青葉山への眺望と共に、おいしい食事やお酒を味わう。ここにしかない食の楽しみ方があります。
  • 巡る楽しみ
    広瀬川やオープンスペース、文化施設などをつなぎ合わせる遊歩道。景色の変化を楽しみながら巡ることができます。
  • 佇む楽しみ
    芝生に寝っ転がる。ベンチに座って風を感じる。広瀬川沿いのカフェで本を読む。そんなゆったりとした時間がみんなの心を癒します。
  • 知の楽しみ
    数百万年前の地層や化石、伊達藩の歴史遺産など仙台の歴史が凝縮するうえに、大学やいろんなミュージアムも集積。体験を通して様々なことを知ることができます。


 楽しみ方のかけ合わせ

 ピクニックとは対称的に、街歩きやガイドツアーは1つの場所にとどまらずにオープンスペースを点々と巡ります。それによってピクニックでは気づくことのなかったオープンスペース同士の繋がりや連なりを体感でき、まるで一つの大きなパークのような感覚を覚えます。この2つの対称的な楽しみ方は、それぞれに関心を持つ市民の層も大きく異なっていて、どちらか片方だけを実践していても幅広い世代の関心は得られません。"佇む"と"巡る"をかけ合わせた「ピクニックパレード」では、国際センター駅・広瀬川・西公園がひとつながりのSCPとなり5つの楽しみ方が展開され、子どもからお年寄りまで、また市内外の人々が広瀬川を訪れました。

 西公園で夕日を眺めるカフェコーナー
西公園で夕日を眺めるカフェコーナー

 広瀬川にかかる橋を巡るツアー
広瀬川にかかる橋を巡るツアー


 3つの課題

 広瀬川では年間行事として季節の風物詩が見られるようになってきましたが、もっと日常的に小さくても色んなプログラムが提供されていてもいいのではないかと思っています。それには大きく3つの課題に取り組まなくてはいけないと考えられます。

  1. 緑陰空間での楽しみ方を知っている市民が少ない
  2. 市民ニーズを引き出す施設や体験が用意されていない
  3. 子どもたちの安全性を過剰視した規制や制限がある

 天候に左右されやすい・危険性がある等のリスクや、許可や手続きが煩雑といったハードルがありますが、仙台の市民が水辺や緑をうまく活かしていかなければ「杜の都」は絵に描いた餅となり、市外・海外から来た方や未来の子ども達をガッカリさせてしまうでしょう。


 おわりに

 鮭が川で生まれ育ち海へ出て成魚になりまた母川へと帰って来るように、広瀬川で遊び・楽しみを体験した子どもたちは仙台を離れても、大きくなって清流・広瀬川のある仙台へと戻ってくることでしょう。子ども達が自ら遊び育つ環境を整えるのが大人の役目であり、ただただ側で"佇む"を楽しむだけで十分なのです。自分が楽しむと誰かのためになる、あなたも広瀬川の新たな楽しみとの出会いのトリコになってしまうかもしれません。

 「I ラブ 広瀬川 〜川のほとりの地形と暮らし〜」の様子



 参考

せんだいセントラルパーク
http://sendai-cp.net



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